ラッピングリボン

乳がん治療記録

再検査 その2

乳腺エコーの順番が呼ばれ、技師さんに

「上半身を脱いで横になって下さい。」

と言われた。

乳腺エコーはエコー検査用のゼリー塗った胸の上をプローブと呼ばれる器具で超音波を当てて行う検査だ。ネットには乳腺エコー検査はマンモグラフィと違ってまったく痛みを感じないと書いてあったのに、私の場合、マンモほどではないが若干痛かった。ゴツゴツしたマッサージローラで胸をゴリゴリされる感じだ。正確な検査をするためだから、しかたないな~と我慢しながら、心の中でマンモグラフィの再検査ってマンモグラフィをもう1度撮る検査じゃないんだ。と思った。

 体感20分くらいのエコーの検査が終わり、眼科へ戻った。人間ドックの時にするいつもの検査+視野検査をした。眼底検査の要精密は緑内障の疑いでの再検査だった。

再検査の結果は

緑内障ではありません。経過観察でいいでしょう。年に一度視野検査をしたほうがいいですね」

と、眼科医から言われ、やっぱり異常なしだった!と心の中でガッツポーズをした。

 再び、乳腺外科へ戻って、診察を待合室で待っていたのだがなかなか呼ばれない。眼科の検査で1時間くらいかかったのに、30分ほど待っても、まだ順番が来ない。末娘と顔を見合わせて

「遅いね~」

と話していると、やっと名前を呼ばれた。

末娘は参考書を片手に勉強をしていたので1人で診察室へ入った。

医師の前の椅子に腰をかけると、マンモグラフィの画像と先ほどのエコーの画像らしきものが、大きなモニターに映し出されていた。医師は開口一番 

「かなり悪いです。画像上ではかなり悪いです。」

と言ったので

「ええ~まじっすか!!ええ~かなり悪いって.......本当ですか?」

と思わず意味不明のテンションで反応してしまった。

乳腺外科医のO先生は落ち着いたトーンで、マンモの画像を見せながら説明した。

1枚目の先日撮ったマンモの画像、右胸の上のほうにモヤモヤケバケバした白い塊が映っていた。

「これですね。」

次に2枚目、2年前に撮ったマンモの画像、1枚目の画像では塊がある部分に何も映っていない。

「2年前は何もありませんね。先日、とった画像にはありますね。こんな風に塊の淵がケバケバしているのは良くないんですね」

と、言いながら次に映し出したのは、今日撮ったエコーの画像。

「マンモと同じ場所にはっきり映っているでしょ?おや、横にもう1個、小さいのありますね。画像で見るかぎりでは悪性ですが、本当にそうかどうかは細胞を検査してみないと分からないので、来年1月5日にH医科大学病院で検査しましょう」

 O先生の申し出は嬉しかったが、近所の病院のほうが通院が楽だと思い。SS病院希望と伝えた。O先生は快く紹介状を書いてくれ、末娘と共に予約コンサルティングの窓口へ行った。係の女性が紹介先の病院と連絡をとって予約を入れてくれるのだ。

「SS病院だと最短で来年の1月18日です」

と言われ、そんなに先だと心配だし、でも家から近いほうが便利だし、う~ん。

家族に相談しますと伝え、彼氏に電話をかけた。経緯を説明すると

「遠いとか近いとか言ってる場合かー!1月5日に診てくれるっていうならH医科大学病院へ行け!!」

と、さんざん怒られたあげく怒鳴られた。

係りの女性に申し訳ないのだけど、やっぱり1/5に予約可能なH医科大学病院にしてほしいと伝えると、???な顔をしたので、O先生が最初にそう提案してくれたと経緯を伝えると、納得した顔で

「O先生に聞いてみますね」

と小走りに聞きに行ってくれ、二度手間させてしまったにもかかわらず、快く承諾してくれた上に、手続きを待ってる私と末娘のところに来てくれて

「それじゃあ、来年待ってますね」

と笑顔で優しく言ってくれたO先生。ホント男前。例え毛がちょっと薄くても男前。私にはジャニーズよりずっとO先生がイケメンに見えた。

  後から、コンサルティングの女性に聞いた話だが、O先生はH医科大学病院の乳腺外科のトップの先生で、週1でJ記念病院の乳腺外科を担当しているそうだ。診察の時、O先生は画像での私の病状が悪いので早く検査したほうがいいと、融通を聞かせて最短の1月5日でって予約を入れようとしてくれたのに、本当に私ってバカだなっと思った。