ラッピングリボン

乳がん治療記録

乳房再建術の説明

形成外科まで、看護婦さんが案内してくれた。私と彼と長男。3人で椅子に座って順番を待つ。15分ほど待つと、順番が呼ばれた。3人で診察に入った。形成外科の先生は男性でM先生だと自己紹介した。

乳房再建術には大まかに分けて2つの方法がある。人工物(シリコンインプラント)を使う方法。主なメリットは術後の身体の負担が小さく、手術時間も30分くらいと短いところだ。主なデメリットは人工物なので体温を感じられず、体の変化に対応しないこと(太ったり痩せたり、年を取って垂れたり)、半年に一度の通院と10~15年毎に交換が必要なことだ。もう一つは自家組織を使う方法。主なメリットは体温を感じられること、体の変化に対応すること、つまり、術後はノーメンテナンスでOKなこと。デメリットは、胸と背中orお腹にひどく大きな傷後が残ること。手術も10時間以上の大掛かりなものになること。術後の傷の痛みもかなり酷いことだ。

M先生は写真を見せてくれて、インプラントでの手術方法を勧めてくれたが、私は自家組織の術後のノーメンテナンスに惹かれ

「傷病手当を使って長く休めるのも今だけだから、悩んでいるけれど、そちらも検討したい」

と言ってみた。

「それじゃあ、出来るかどうか診るから」

と、付添い二人を外で待ってるように指示し、私に上半身服を脱ぐように指示をした。

もう一人女性の先生らしき人がデジカメで、私の胸の写真を撮った。その後スケールで丁寧に胸の大きさを測ってくれた。かなりはずかしいな~と思っていたら、M先生が私の胸を触って、背中の筋肉(贅肉とも言う)を触って、最後にお腹の筋肉(贅肉とも言う)

「はーい、いいよ着替えて~」

と言った。

私が着替えてる間中、私に合うエキスパンダーのサイズについて女医さんとM先生と話しあっていた。専門用語でさっぱりちんぷんかんぷん。

「カップのサイスはいくつですか?」

とM先生。

「正しく測ったことがないんで、間違ってるかもしれないですけどDを使ってます。」

と答えると女医さんが

「そうだよね~。そのくらいは絶対あるよ」

と言い、再びM先生とサイズの相談をして、なにやら決まったらしく

「じゃあ、注文しておきますね。」

とM先生。一体どのサイズになったの???と思っていると、女医さんが2人を呼び戻してくれて、M先生が再び話をしはじめた。

「自家組織の場合はその胸の大きさでは背中の筋肉では足りないから無理です。やるとしたらお腹の筋肉を使います。」

と言いながら、自家組織の場合、お腹をどれくらい切るか写真を見せて説明してくれた。40㎝~50㎝くらい切って、しかも皮を上のほうまでめくるらしい。傷跡の写真を見せてくれたけど、傷はかなり大きく痛みも酷そうだった。簡単に自家組織と思っていた自分は説明を聞いて正直ビビってしまった。自家組織再建を選んだ人ってすごい勇気だったんだなぁ~と心の底から尊敬した。そこで彼がまた鋭い質問をしてくれた。

「万が一、組織が壊死する場合もあるってインプラントでも自家組織でも言ってましたけど、どっちが壊死する可能性高いんですか?」

「それはどちらも変わりないです。」

と先生。

「それなら俺は自家組織は反対。万が一壊死して胸がダメになった時に、お腹の傷だけが残っちゃう。シリコンなら壊死しても胸だけだから」

と私が思いつかないような事を言ってくれた。うう~ありがとう。

「とりあえずエキスパンダーを入れて、シリコンに入れ替えるのは10月頃なので、それまでにやっぱり自家組織でやりたいってことであれば言ってください。」

と先生。

いや、もうシリコンがいいです。10月まで考えなくてもいいです。と心の中で思っていた。

帰りに

「お腹すいた~」

という長男に

「じゃあ、焼き肉食べに行こう」

と言い連れてってくれた彼。実は2年くらい前に家族みんなで来た時に、満席で入店を諦めた焼き肉屋さん。私と彼、長女、末娘は行く機会があって行ったことがあったが長男は初めてだったのでとても喜んでいた。私のお勧めはハラミと壺漬けカルビ。それしか食べないし^^ああ~美味しかった!!