ラッピングリボン

乳がん治療記録

乳房温存手術の説明

2018年1月26日今日も手術の打ち合わせでH医科大学病院に再びやって来た。

前回、AN先生のお話を聞いてインプラントでの再建手術に心が傾いたが、どうしてもAN先生のお話では温存手術後の乳房の状態が想像出来ず、その疑問を晴らしてから後悔しない手術方法を選ぼうと意気込んでいた。

今日は珍しく午後の15時からの診察だった。外来は午前中のほうが多いのか外科の待合室は閑散としていた。静まり返った待合室には私と彼、長男の3人と、もう一組の老夫婦のみだった。老夫婦のほうが先で私はその次だった。順番が来て呼ばれて、3人で診察室へ入った。

今日も主治医のO先生ではなく、先日のAI先生でもなかった。この前、針検診をやってくれたA先生だった。針検診の時はほとんどぎゅっと目をつぶっていたので先生の顔をよく見れなかったのだが、今日はしっかりと見ることが出来た。おお~なんて可愛い人なんだ~。と心の中で思った。けれども、A先生は可愛い外見とは裏腹にベテラン先生の貫禄が十分にあった。知識も技術もあるのに決して気取らず、患者に対する優しさも持つ素敵な人だった。でも、靴紐は蛍光ピンクだったので、ピンク好きの私と趣味が合うに違いないと心の中で思った。

診察室に入り椅子に座るとA先生が私に質問をした。

「えっと、再建希望ということでよかったですか?」

「えっと、それなんですけれども……」

と、前回のAI先生との話の内容を伝えた。

「なるほど、直径6㎝切るって言われて、温存後の乳房の形が具体的にイメージ出来なかったので再建を希望したわけですね」

とA先生。

A先生からの説明では、温存の場合は私の腫瘍の位置からして乳房の右上の脇に近いほうにメスを入れ、皮をはがして腫瘍の部分を切取り乳腺をくっつけて、へこんだところは背中など周囲の肉をなるだけ持って来て丸く形を整えてから縫合するそうで、私くらい胸のある人ならそんなに目立つほど奇形にはならないという事だった。

私が

「ひどく陥没したり乳輪乳頭がへちゃげたりしている写真をネットで見たんですけど?」

と質問すると、すかさず

「それは昔の手術ですよ」

と笑顔で答えてくれて、私に安心をくれた。この先生ならお任せできそうと思って

「最終的に決めるのは私ですが、先生的には温存を勧められますか?」

と聞くと

「もちろん、そうですね。」

と。そして、さらに

「O先生の意見も聞いてみましょうか?」

と言って席を立ち、隣のO先生の診察室へ聞ききに行ってくれた。すると、O先生が顔を出してくれて

「温存にしましょう。」

と言ってくれ、私もなんだかとても安心出来たので

「それじゃあ、温存にします」

という事が出来た。

帰りに彼が

「その選択でよかったと思うよ」

と言ってくれ、長男も賛成してくれたので、ずっと悩んでいた事が解消されて気持ちがとても楽になった。心配してくれる彼や子供たちに本当に感謝。みんながいてくれなかった本当に不安で逃げ出しちゃったかもしれないなぁ。と思った。