ラッピングリボン

乳がん治療記録

乳房温存手術の説明

2018年1月26日今日も手術の打ち合わせでH医科大学病院に再びやって来た。

前回、AN先生のお話を聞いてインプラントでの再建手術に心が傾いたが、どうしてもAN先生のお話では温存手術後の乳房の状態が想像出来ず、その疑問を晴らしてから後悔しない手術方法を選ぼうと意気込んでいた。

今日は珍しく午後の15時からの診察だった。外来は午前中のほうが多いのか外科の待合室は閑散としていた。静まり返った待合室には私と彼、長男の3人と、もう一組の老夫婦のみだった。老夫婦のほうが先で私はその次だった。順番が来て呼ばれて、3人で診察室へ入った。

今日も主治医のO先生ではなく、先日のAI先生でもなかった。この前、針検診をやってくれたA先生だった。針検診の時はほとんどぎゅっと目をつぶっていたので先生の顔をよく見れなかったのだが、今日はしっかりと見ることが出来た。おお~なんて可愛い人なんだ~。と心の中で思った。けれども、A先生は可愛い外見とは裏腹にベテラン先生の貫禄が十分にあった。知識も技術もあるのに決して気取らず、患者に対する優しさも持つ素敵な人だった。でも、靴紐は蛍光ピンクだったので、ピンク好きの私と趣味が合うに違いないと心の中で思った。

診察室に入り椅子に座るとA先生が私に質問をした。

「えっと、再建希望ということでよかったですか?」

「えっと、それなんですけれども……」

と、前回のAI先生との話の内容を伝えた。

「なるほど、直径6㎝切るって言われて、温存後の乳房の形が具体的にイメージ出来なかったので再建を希望したわけですね」

とA先生。

A先生からの説明では、温存の場合は私の腫瘍の位置からして乳房の右上の脇に近いほうにメスを入れ、皮をはがして腫瘍の部分を切取り乳腺をくっつけて、へこんだところは背中など周囲の肉をなるだけ持って来て丸く形を整えてから縫合するそうで、私くらい胸のある人ならそんなに目立つほど奇形にはならないという事だった。

私が

「ひどく陥没したり乳輪乳頭がへちゃげたりしている写真をネットで見たんですけど?」

と質問すると、すかさず

「それは昔の手術ですよ」

と笑顔で答えてくれて、私に安心をくれた。この先生ならお任せできそうと思って

「最終的に決めるのは私ですが、先生的には温存を勧められますか?」

と聞くと

「もちろん、そうですね。」

と。そして、さらに

「O先生の意見も聞いてみましょうか?」

と言って席を立ち、隣のO先生の診察室へ聞ききに行ってくれた。すると、O先生が顔を出してくれて

「温存にしましょう。」

と言ってくれ、私もなんだかとても安心出来たので

「それじゃあ、温存にします」

という事が出来た。

帰りに彼が

「その選択でよかったと思うよ」

と言ってくれ、長男も賛成してくれたので、ずっと悩んでいた事が解消されて気持ちがとても楽になった。心配してくれる彼や子供たちに本当に感謝。みんながいてくれなかった本当に不安で逃げ出しちゃったかもしれないなぁ。と思った。

 

 

 

 

乳房再建術の説明

形成外科まで、看護婦さんが案内してくれた。私と彼と長男。3人で椅子に座って順番を待つ。15分ほど待つと、順番が呼ばれた。3人で診察に入った。形成外科の先生は男性でM先生だと自己紹介した。

乳房再建術には大まかに分けて2つの方法がある。人工物(シリコンインプラント)を使う方法。主なメリットは術後の身体の負担が小さく、手術時間も30分くらいと短いところだ。主なデメリットは人工物なので体温を感じられず、体の変化に対応しないこと(太ったり痩せたり、年を取って垂れたり)、半年に一度の通院と10~15年毎に交換が必要なことだ。もう一つは自家組織を使う方法。主なメリットは体温を感じられること、体の変化に対応すること、つまり、術後はノーメンテナンスでOKなこと。デメリットは、胸と背中orお腹にひどく大きな傷後が残ること。手術も10時間以上の大掛かりなものになること。術後の傷の痛みもかなり酷いことだ。

M先生は写真を見せてくれて、インプラントでの手術方法を勧めてくれたが、私は自家組織の術後のノーメンテナンスに惹かれ

「傷病手当を使って長く休めるのも今だけだから、悩んでいるけれど、そちらも検討したい」

と言ってみた。

「それじゃあ、出来るかどうか診るから」

と、付添い二人を外で待ってるように指示し、私に上半身服を脱ぐように指示をした。

もう一人女性の先生らしき人がデジカメで、私の胸の写真を撮った。その後スケールで丁寧に胸の大きさを測ってくれた。かなりはずかしいな~と思っていたら、M先生が私の胸を触って、背中の筋肉(贅肉とも言う)を触って、最後にお腹の筋肉(贅肉とも言う)

「はーい、いいよ着替えて~」

と言った。

私が着替えてる間中、私に合うエキスパンダーのサイズについて女医さんとM先生と話しあっていた。専門用語でさっぱりちんぷんかんぷん。

「カップのサイスはいくつですか?」

とM先生。

「正しく測ったことがないんで、間違ってるかもしれないですけどDを使ってます。」

と答えると女医さんが

「そうだよね~。そのくらいは絶対あるよ」

と言い、再びM先生とサイズの相談をして、なにやら決まったらしく

「じゃあ、注文しておきますね。」

とM先生。一体どのサイズになったの???と思っていると、女医さんが2人を呼び戻してくれて、M先生が再び話をしはじめた。

「自家組織の場合はその胸の大きさでは背中の筋肉では足りないから無理です。やるとしたらお腹の筋肉を使います。」

と言いながら、自家組織の場合、お腹をどれくらい切るか写真を見せて説明してくれた。40㎝~50㎝くらい切って、しかも皮を上のほうまでめくるらしい。傷跡の写真を見せてくれたけど、傷はかなり大きく痛みも酷そうだった。簡単に自家組織と思っていた自分は説明を聞いて正直ビビってしまった。自家組織再建を選んだ人ってすごい勇気だったんだなぁ~と心の底から尊敬した。そこで彼がまた鋭い質問をしてくれた。

「万が一、組織が壊死する場合もあるってインプラントでも自家組織でも言ってましたけど、どっちが壊死する可能性高いんですか?」

「それはどちらも変わりないです。」

と先生。

「それなら俺は自家組織は反対。万が一壊死して胸がダメになった時に、お腹の傷だけが残っちゃう。シリコンなら壊死しても胸だけだから」

と私が思いつかないような事を言ってくれた。うう~ありがとう。

「とりあえずエキスパンダーを入れて、シリコンに入れ替えるのは10月頃なので、それまでにやっぱり自家組織でやりたいってことであれば言ってください。」

と先生。

いや、もうシリコンがいいです。10月まで考えなくてもいいです。と心の中で思っていた。

帰りに

「お腹すいた~」

という長男に

「じゃあ、焼き肉食べに行こう」

と言い連れてってくれた彼。実は2年くらい前に家族みんなで来た時に、満席で入店を諦めた焼き肉屋さん。私と彼、長女、末娘は行く機会があって行ったことがあったが長男は初めてだったのでとても喜んでいた。私のお勧めはハラミと壺漬けカルビ。それしか食べないし^^ああ~美味しかった!!

 

乳腺エコーと手術方法の選択

2018年1月23日(火)今日は9時45分からの乳腺エコーの検査と今までやった検査の結果を総合して手術の方法が決まる日だ。すごく緊張もしていたけど今日は頼もしい助っ人が付添いに2名同行してくれた。彼と長男!いろいろと人が気づかないような細かい部分に気が付いて鋭い意見を出してくれる彼と記憶力が良く冷静に物事を考えられる長男のコンビが一緒なら、鬼に金棒。何を言われても聞き漏らすことも安易に返事することもないだろう。それに2人が一緒にいてくれることでとても安心出来るし、何より嬉しい。検査前15分には待機していようと8時40分頃に家を出た。9時30分頃にはエコーの検査室前に到着することが出来た。今回は本格的なエコーのせいか乳腺外科の隣のエコー室ではなく、放射線部にあるエコーでの検査だ。検査までにかなり待たされて順番が来たのは10時20分過ぎていた。どうしてこんなに待たされたのか検査室に入って良く分かった。先生と呼ばれてるいる技師さんのほかに3名ほど中には人がいた。技師さん曰く

「大勢でごめんなさいね。最新の機械を導入したばかりなのでみんなでやらせてもらいますね」

なるほど、それでみんな時間がかかっていたのね。と思いながら、上半身を脱いでベッドに仰向けに寝た。検査用のゼリーを塗られ、念入りに検査をてくれた。一人が機械の操作方法を時々説明しながら、技師さんがエコーを当てていく。エコーのやり方はそこにいる誰よりもベテランだけど、新しい機械でどこのスイッチを操作したら、自分のやりたい操作が出来るのかが、ちょっとだけ分からないらしく、それをフォローしてる感じだ。途中エコーを当てる人が変わったりといつものエコー検査より賑やかだ。それでも最新技術を使いながら丁寧に真剣に診てくれているのは伝わってきたので、なんだかちょっと楽しかった。検査が終わり検査室の外へ出て、彼と長男と乳腺外科へ向かった。30分ほど待たされて、順番が呼ばれたので入ると、いつものO先生ではなく女性の初めて見る先生だった。AN先生は検査の結果を伝えるとともに、手術方法を提案してくれた。

「検査の結果ですが、画像で見る限りリンパ節に大きな転移はみあたりませんでした。ただ、しこりは一番大きいのを入れて全部で3つあることが分かりました。全部近い位置にあるので、ぎりぎり温存手術は出来ます。しかし、悪い細胞の部分プラス1.5㎝の切除しないといけないので、全部で直径6㎝は切除しないといけなくなります。見た目がかなり悪くなりますので、再建の選択も可能ですが…」

ああ、温存出来るなら温存って思っていたけど、6㎝も無くなるのはやっぱり辛い。温存たって、直径6㎝なかったら、ほぼないのと全摘出と同じじゃん。

「再建した場合って、乳頭、乳輪は残せるのでしょうか?」

と聞くと

「残せますね。腫瘍と乳頭の位置は遠いので」

すかさず彼が質問。

「まずは温存して、やっぱり後から再建したいって場合も可能ですか?」

「可能ですが。温存した場合、乳頭の下からメスを入れるので、後から全摘出、再建の場合に乳頭、乳輪は残せません。」

「乳頭、乳輪を残したまま、再建するならば、今しかないってことですね?」

と私。

頷くAI先生。

う~ん、やっぱりこの先の人生、6㎝もかけた胸をみてブルーに生きたくない。

「それなら、全摘出、再建でお願いします。」

AI先生は私の返事を聞いて、形成外科の先生に急遽、診察の依頼をかけてくれた。

「26日にもう一度、手術のお話をしますので来てください。今日は、この後、形成外科に寄って再建手術のお話を聞いて行ってください。」

私は頷くと、彼と長男と3人で形成外科に向かった。

 

 

MRI検査

2018年1月19日(金)はMRIの検査だ。これも初めての検査の上に、造影剤を使う検査なので気分が悪くなった時のために長男に付き添ってもらった。

朝食が抜きで検査は11時からだったので、前回のCT同様お腹ペコペコ状態だった。15分前には来るようにとの指示だったので、20分前には受付の前にいた。前回同様、問診表の記入があり、同じようにアレルギーについての質問がほとんどだった。11時20分になってやっと名前を呼ばれた。検査着に着替えるように言われたので、下着を脱いで検査着を着た。靴下を悩んだのだけど、後から脱ぐのは面倒だとおもって予め脱いでおいたが、履いたままでも大丈夫だった。着替えが終わると、処置室へ呼ばれた。看護師さんが、造影剤の針を刺してくれるのだ。造影剤は注射器が2本とそれぞれに管がついていて、先に針がついていた。管の短い点滴みたいな感じだ。看護師さんは針を刺してくれると、少しだけ注射器を押して、薬剤を入れ

「痛みますか?」

と聞いてくれた。まったく痛みを感じなかったので

「大丈夫です」

と、返事をすると看護師さんが

「じゃあ、このままこの注射器2本を持って、検査室へ行ってください」

と言った。自分で持って行くんかい!と思いながらも、頷いて検査室へ向かった。

検査室にはいると、技師さんがまず耳栓をしてくれた。その後、うつ伏せ寝でと指示があったので、この前のCTはあおむけ寝だったのになと思いながら台に登った。しかも、2つの胸を入れる穴が2つ開いていて、そこへ胸を入れるのだ。台の上に登り、検査着の前を開いて一生懸命胸を穴へ入れながら、うつぶせ寝をした。額と顎に当たる枕が少し低かったので、技師さんが高くしてくれたので、少し姿勢は楽になった。最初は上にあげていた両手を、気をつけのポーズをして下さいと指示されたのでゆっくり下ろしていった。気を付けのポーズをとると

「この位置で固定しますね」

と言われ、バンドで固定された。右手にはゴムボールのようなものを渡されて、具合が悪くなったら握るようにと言われた。

台が狭く、手を置いて重さをかけれる部分がないので、気を付けのポーズを維持するのはちょっと力がいった。

「始めますね」

機械が動くとブーブーブーブーとエラー音みたいな音が爆音で響いた。なるほどこれで耳栓なのかと思った。その後、ブーと長い音の後、ピロピロピロピロピロとけたたましい騒音。時々、音が途切れたかと思うと、再び爆音の嵐。MUCCのリーダーにMRIって曲を作ってもらいたいなどと思いながら、豪快な騒音とすごく短い静寂を繰り返す検査を受けた。一度だけ

「息を吸って下さい。」

「吐いて下さい」

「止めてください」

のアナウンスが流れた。CTみたいにいっぱい言われなかった。検査から20分くらい過ぎた頃、技師さんが

「それじゃあ、造影剤を入れていきますね。後、10分くらいで終わりますからね」

ええ~造影剤、今からかよ~と思いながら、造影剤を入れられたはずなのに、あんまり感覚はせず、入れられてることが全く分からなかった。CT検査の時は、すごい変な感じがしたのにな、今回は全然分からないや。再び、騒音の嵐と一瞬の静寂を繰り返し、体感的にはもう10分は過ぎてるだろと思いながら、あと少しできっと終わると自分を励まし、造影剤を入れてから15分過ぎた頃、検査は終わった。

待合室で待っていた長男と合流し、乳腺外科の診察室を訪ねた。外科受付をすまし、待っていると、15分くらい待ったところで順番になった。

診察室に入ると、O先生が

「前回の結果ですが、血液検査、肺機能検査、レントゲン、心電図どれも異常なしですね。今日撮ったMRIや今度のエコーの結果を含めてまたお知らせしますが、CTの結果ではリンパに転移はなさそうです。」

と、検査結果を印刷したものを渡しながら、説明してくれた。

「手術方法についてなんですが、23日に検査結果を見てご提案したいと思いますが、もし、切除だった場合、再建は希望しますか?」

と先生。すかさず

「はい」

と私。

「その場合、入院2週間くらいになるよ。検査結果を踏まえて、この次、一番良い方法をご提案しますね。」

その後、入院カウンターで、入院予約の受付をした。部屋の代金は、特別室S32,400円(1日)、特別室A10,800円(1日)特別室B8,640円(1日)大部屋(4人部屋)無料だそうで、もちろん

「大部屋で!」

と即答したのは言うまでもない。

病院の帰りに、以前末娘と一緒に行ったお好み焼き屋に長男を連れて行った。

「キムチのお好み焼き、いーっぱいキムチが入ってて、にーにが好きそうだから、連れってってあげたいね」

と末娘が言っていたので、そこに連れていくことにした。前回は、私も気分があまり優れなかったのでたくさん食べられなかったが、今回は結構食べることが出来た。もちチーズがとても美味しかった。長男は

「もっとキムチ入っててもいいかも」

と言っていたので、末娘に伝えると

「あれ以上キムチ入れたら、キムチしか入ってないじゃん」

と言っていたのが、面白かった。 

 

 

 

初のCT検査

検査は心電図→血液検査→肺機能検査→レントゲン→CT検査だった。

CT以外の検査は人間ドックでもお馴染みのやつだ。緊張するのはCT検査だ。なにせ初めてなのでどんな感じなのか想像がつかない。ドキドキしながら他の検査を終え、残るはCT検査のみに。長女と一緒に待合室で順番を待ちながら、問診表を書いた。問診表はアレルギーや喘息について書かれていたが、イネ花粉症以外のアレルギーはないので特別検査には問題なさそうだった。順番が呼ばれ、いよいよ検査室へ。

技師さんが

「金属のもの身に着けていたら外して下さい。来ているワンピースとシャツは着ていて構いません。ズボンはファスナーがダメですが、検査の時に下にさげてくれれば大丈夫です」

と言うので、ブラだけ外し検査台の上に仰向けに寝た。お腹から下半身にタオルをかけてくれたので、指示通りズボンを下におろした。看護師さんが来てくれて、造影剤の注射をした。

「だんだん体が熱くなっていつもと違う感覚がしますが、異常でないので安心して下さいね。それ以外に気分が悪くなったり異常を感じたら教えて下さい。」

私は、頷いた。造影剤は体に入ると同時に体の内側からほんのり熱くなっていき、上半身から下半身へと順番に熱くなっていった。特に下半身が熱くなる感覚は以前誰かのブログで読んだ通り、おしっこを漏らしちゃった時の感じに似ていた。

なるほど。その通りと思いつつ、初めて感じる温かい感覚がなんだかちょっと気持ち悪かった。しかし、ゆっくりとそんなことを思っている暇はなく、レントゲンの時も言われるあの作業

「息を吸って下さい。」

「息を吐いて下さい。」

「息を止めて下さい。」

これらを結構頻繁に指示されて、息を吸ったり吐いたり止めたりと忙しかった。そんな検査も体感20分くらいで終了した。

やっと帰れる。待合室で待ってる娘と合流し、さて帰ろうかなと思っていると乳がん専門の担当看護師のMさんが来てくれて

「限度額認定証と傷病手当の手続きの件で専門の担当者がお話をしてくれるそうなので寄って行って下さい」

と言い、案内してくれたので、お話を聞くことにした。医療費や仕事を休んでる間の収入の不安について親身に聞いてくれ、アドバイスも頂けた。それらの不安が解消されたところで、今度こそやっと帰れる。相談室のドアを出たところにコンビニがあったので腹の虫が鳴りやまない私と長女は飲み物とチキンを買い、コンビニの外の飲食コーナーでそれらを食べて小腹を満たしてから、お会計をした。時刻は16時を過ぎていた。本格的に何か食べようと帰宅路の途中でお店を探し、パスタ屋さんを見つけたのでそこで食事をした。長女はズワイガニカルボナーラ、私はオリジナルピザを注文した。食後のデザートに長女はチョコケーキ、私はチーズケーキを注文した。かな~りお腹が空いていたのでとても美味しかった。

 

乳がん告知

2018年1月12日(金)組織診、細胞診の検査結果を聞きに行く日だ。

今日は長女が会社を休んで付添ってくれた。11時からの予約で30分前には到着し、乳腺外科外来の前で順番を待っていたのだが、1時間経過しても呼ばれない。おかしいと思い外科外来の受付に確認すると

「こちらでの受付が必要なんですよ」

ええ~。前回、来院した時、総合受付の人が

「次回からあちらの機会に診察券を入れて頂ければ、受付はいらないので」

との説明を勘違いしてしまったのだ。機械から出てきたレシートに受付番号も記載されていたので余計に勘違いしてしまったのだ。ああ、今日は大事な検査の結果を聞きに来たのに、ちゃんと説明して欲しかった。30分も早く来て、後回しにされるのは正直面白くなかった。O先生にも予約時間を守らないいいかげんな人だと勘違いされたかと思うと余計に腹が立ち、長女に「もう帰る~」「二度と病院なんて行かない」と子供みたいに八つ当たりをして困らせてしまった。実際に、順番が来たのは12時半ごろだった。

診察室に入るとO先生が

「検査の結果悪いものでした。ということは、どうゆうことか分かりますか?」

と聞くので

乳がんということですよね」

と私。

患者のほうから病名を言わせるように上手く誘導して告知する手腕はさすがだなと感心してしまった。右乳房右上外側の2つ並んでる腫瘍は浸潤性乳管がん(硬がん)であると判明した。乳頭直下のは悪いものではなかった。針生検の結果では、病期(ステージ)Ⅰ期、悪性度(グレード)Ⅰでホルモン受容体陽性で癌の性格もおとなしいという結果だ。術後の治療方針は、正確には摘出したがん細胞を詳しく検査しなければ分からなく、実際、術後にステージやグレードも変わる人もいるのだ。手術時にセンチネルリンパ節生検し、リンパ節にも転移が見られればリンパ節の切除術も行うそうだ。

乳がんの疑いでJ総合病院から再検査の電話が来たのが2017年の12月9日。結果が分かる今日まで約1ヵ月。O先生の計らいで最短で検査をしてもらっても1ヵ月もかかるなんて。30日間も白か黒か分からない状態で悩まされるのは本当にストレスだった。同じ病気の人はみんな私と同じ思いをして来てるのかと思うと、どうか医療がもっと進歩して迅速に結果がでるようになってほしいと思った。

「まずは、がん細胞の全身検索、拡がりを検査、診断し、手術の方法を決めていきましょう。じゃあ、今から検査に行ってください。」

ええ~今から?と内心思っている私に容赦なく沢山の検査の指示をするO先生。

「血液検査、レントゲン、肺機能検査、心電図、CTに行って下さいね」

そんなにたくさん;;と思っている私にさらに

「CT終わるまで、昼食は禁止ですからね~」

うううううわ~ん。お昼ご飯、おあずけだってさ。

「お腹すいちゃったでしょ?お母さんが検査してる間に、1階にコンビニがあったから何か食べてきてもいいよ」

と長女に言うと

「今日はお母さんと帰りに美味しいものを食べに行くのを楽しみに来たから、私も我慢する」

と言ってくれた。本当に優しい娘を持って私はとても幸せだなと思った。

 

 

 

 

穿刺吸引細胞診と針生検(組織診)

前回、かなり悪いと診断された際、彼にもしも乳がんだったら『患者さんのための乳がん診療ガイドライン2016年版』って本を買って欲しいと頼んだら

「もう買えばいいじゃん。買ってあげるよ。病気を知ることで安心できるなら。がんじゃなかったならそれが一番いいんだし」

と言ってくれたので、2018年1月5日 H医科大学病院に細胞診をしに行った時には、乳がんの治療についてかなり勉強出来ていた。そして、今回も末娘が付き添いでついてきてくれた。傍にいてくれるだけでとても心強かった。

診察室に入るとO先生が待っていた。

「それじゃあ、今日の検査の説明をしますね。」

と、O先生は資料を見せてくれながら、今日行う検査について詳しく説明してくれた。

「麻酔をして組織を採る検査になりますね」

ええ~!!前回、細胞の検査と言っていたので、てっきり穿刺吸引細胞診だと思っていたのだ。

良性か悪性か判断するのに、3つの検査方法がある。1つ目は穿刺吸引細胞診で病変部に直接細い針を刺し細胞を注射器で吸い出す検査。2つ目は針生検(組織診)で一つ目の検査方法よりも太い針を病変部に直接刺して、その中に組織の一部を入れて取り出す検査。針が太いので麻酔必須。どちらもエコーで採取部位を確認しながら行われる。3つ目は外科的生検で小さな手術で組織を採取する検査。3つの違いは検査結果の正確さ。

1<2<3の順。当然、3が1番正確なのだけど、3は身体の負担が最も大きい。

私が行ったのは2つ目は針生検(組織診)だ。エコー室に呼ばれ、上半身を抜いてベッドに横たわった。左右ともエコーで念入りに検査してくれる。J記念病院の時と違ってちっとも痛くない。肌の上を滑らかに転がる感じだ。H医科大学病院のほうが進化した機械なのかもしれないと思った。エコーの検査が終わると女性の先生が入って来て

「私、乳腺外科医のAといいます。検査始めますね。麻酔します。」

麻酔は結構痛かった。針を刺す時も薬を注入される時も。でも、次第に感覚は薄れてきて針を抜くころには痛みは感じなかった。

「今から試しに機械の音を鳴らしますの聞いて下さいね。」

バチン!!ホッチキスの音を30倍くらい大きくしたような音だ。

「結構大きい音なのでびっくりして動かないで下さいね。肺に針が刺さってしまうこともありますから。」

ええ~肺に刺さる~!!そんなこと言われたら怖くて1ミリも動けませんよ、先生。と突っ込みたい心を抑え「分かりました」と返事をした。

「では、始めます」

怖いから目は閉じていたため、実際の光景は見ていない。一生に一度あるかないかの体験だから見る勇気があればなっと思いながら、さらに強く目を閉じた。針が当たる冷たい感触はするが不思議と痛みは全く感じない。

「音しますね」

バチン!!

「はい、いいですね。その調子で5か所採っていきますね」

ええ~5か所も採るんかい!と思いつつ、まあ痛くないから、いいやと思い「はい」と頷いた。5か所採り終えるとA先生が看護師にエコーを持って来てと指示を出した。

「これ、どうしよう。J記念病院でも指摘されてた病変」

A先生は、ちょっと考えすぐに看護師にてきぱきと指示を出し、私に

「乳頭の直下にも怪しい影が見えるので、こちらは細胞を採らせてもらってもいいですか?」

と聞いた。ええ~乳頭の直下に影。初耳だよ、O先生!!結局、穿刺吸引細胞診もやるんかいっ!と思いながらも、即座にお願いしますと言った。命には代えられないからだ。

「ここは麻酔がないのでちょっと痛いですよ」

と言いながら、針を刺す。

うう~痛い!!刺す瞬間から、病変部まで針が入っていく間も結構痛い。病変部に針がたどり着くと

「細胞を採るので、吸引します。針ぐりぐり動かしますよ」

と先生。ぐりぐりされると、痛み+慣れない感覚がして気持ち悪くて辛かった。一度目の吸引が終わると

「ちょっと少ないかな。もう一度吸引しますね。ぐりぐりしますよ」

細胞の量が少ないと、エラーになって検査の結果が出ないことがあるらしいので仕方ない。同じくらい痛かったのって過去の経験だと陣痛かな。いや、陣痛はもっと痛かっただろう。などと考えているうちに検査は終了した。

針生検の傷の部分2か所に絆創膏をはり、出血がひどいのでその上からガーゼをし止血用のテープで厳重にぐるぐる巻きにされた。止血用のテープとガーゼは5時間後、絆創膏は2日後に外して下さいと言われた。

検査が終わった後、思い出し緊張して、だいぶドキドキして来たので、気分転換に帰りにお好み焼きを食べようと末娘に提案した。午前10時からの検査だったが、会計が終わった頃には14時近くなっていたので、末娘もお腹を空かせているだろうと思ったからだ。

お好み焼き屋には食べ放題コースが1400円であったので、それを二人分注文した。

「すごく美味しい」とニコニコと嬉しそうにたくさん注文して食べてくれたので、その様子に私の心もすごく和んで嬉しかった。

「気に入っちゃった。また、来たいね」

と末娘。

まあ、ドキドキしていた私はせっかくの食べ放題コースだったのにミニお好み焼き(通常のお好み焼きの半分の大きさ)2枚しか食べられず、普通のお好み焼き800円を1枚注文したほうが値段的にお得だった事は、末娘の笑顔が見れたので気にしないでおこうと思った。